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よみがえる!中井の郷土資料 その1

更新日:2024年11月01日

ページID : 3308
収蔵台帳の表紙
収蔵台帳の表紙

扇風機の計測風景

扇風機の収蔵台帳の表面

扇風機の収蔵台帳の裏面

専門家も驚くお宝が!収蔵品の評価高まる

中井町郷土資料館(以下、資料館)は、放っておけば無くなってしまう農機具や生活の道具など、かつての中井町の姿を後世に伝えるとともに、展示会や小学生の課外活動など、郷土を理解する学習に利用されてきました。
令和9年開館予定の生涯学習施設の建設に伴い、資料館が取り壊されることから、収蔵資料の移転やインターネットで収蔵資料が閲覧できる「デジタル郷土資料館」開館に向けた準備をしています。
収蔵資料の移転準備は、写真を撮り、寸法を測り、緩衝材で梱包していきます。写真は採寸中の様子で、北田で使われていた「扇風機」です。その名や形から、「風で涼しくさせてくれるもの」を想像しますが、麦の実と殻などを分ける農機具です。おもに明治から大正時代に使用されていました。麦の収穫量を競う神奈川県の大会で、遠藤原の耕作グループが連続1位を獲得するなど、盛んに栽培することを示す資料であり、かつての中井町のくらしを伝えるものです。また、一つひとつの収蔵資料には、いつ、どこで、だれが、どのように使っていたかというデータが収蔵台帳に記録されています。
横浜市ふるさと歴史財団の羽毛田さんによると、この収蔵台帳は立派な博物館の整理保存と変わりがなく、かつての中井町だけではなく、神奈川県の暮らしぶりも知る一級の資料だとのことです。
次号からは資料館で眠る収蔵資料のうち、専門家をも驚かせる逸品を中心に紹介していきます。乞うご期待!

文:槐真史(中井町教育委員会生涯学習参与)
監修:羽毛田智幸(横浜市ふるさと歴史財団拠点計画推進課長・学芸員)