よみがえる!中井の郷土資料 その4

更新日:2025年02月27日

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めずらしい榊鉾の山車

めずらしい榊鉾の山車(昭和51年撮影)

いよいよ始動!五所八幡宮祭礼の学術調査

今年度から五所八幡宮祭礼の価値と魅力を探る学術調査が始まります。これに先立ち、調査の統括をする五所八幡宮祭礼記録作成調査委員会委員長、小川直之先生にお話を伺いました。小川先生によれば、この祭りには3つの重要なポイントがあると言います。
一つ目のポイントは、この祭りの五所八幡宮には、室町時代の棟札(建物を建てたり修繕したときなどの木札)やその後の江戸時代以降のものが多くあり、祭りとの関連が注目されることです。
二つ目は、五所八幡宮祭礼の山車は、鉾(ほこ)の上部に榊(さかき)を立てる榊鉾(さかきほこ)の形式をもつことです。山車に人形をのせた形式は、県内ではいくつかありますが、人形以前の榊鉾の山車はめずらしく、この祭りの特徴として注目できます。
三つ目は、全国でも数例しかない「鷺の舞」が伝承されていることです。鷺に扮して舞う芸能で、県内では五所八幡宮祭礼と大磯町の国府祭のみで、全国的にも大変めずらしく、しっかりと記録を取りたいと考えています。
こうした特徴をもつこの祭りは、旧中村郷の多くの住民が山車・神輿・お囃子・鷺の舞などを担い、その主体となって現代に伝承してきた民俗文化です。地域社会の融和、活力の源泉の一つであるともいえます。これらの点も、祭礼を魅力的なものにしています。
町民の皆さまには、この調査についてのご理解とご協力をお願い申し上げます。皆さまのご協力が、この祭礼を後世に伝える大切な支えとなります。

文:槐真史(中井町教育委員会生涯学習参与)
監修:高久舞(帝京大学文学部専任講師)