人・農地プランについて
高齢化や後継者不足、耕作放棄地の増加など全国的に農業経営が厳しい状況に直面しています。農業を主な仕事とする農業者の約46%が70歳以上であり、耕作放棄地もここ30年で約3倍の39.6万ヘクタールに増加しています。
中井町でも同様な傾向があり、これらの課題を解決し持続可能な力強い農業を実現するために人と農地の問題を一体的に解決していく「人・農地プラン」を平成26年3月に策定しました(中井町では地域性を鑑み町内を2地域に分けてプランを作成しました)。
地域農業の状況は日々変化していくことから、中井町では毎年、農地に関するアンケート調査を行い、その内容を反映した地図を基に地域における話し合いを経てプランの更新を行ってきました。
令和元年度は70歳以上の農地所有者を対象に農業後継者に関するアンケート調査を行い、その内容も反映させた地図を基に地域での座談会、検討委員会を開催し、中心経営体の追加(認定新規就農者1名)、経営規模面積の拡大(1名)等の修正を行い、国が定める「実質化された人・農地プラン」へ移行しました(令和2年3月25日更新)。
各地域のプランについては、中井町役場産業環境課で閲覧することができます。
人・農地プランとは
人・農地プランとは、人と農地の問題を解決するための「未来の設計図」です。
地域での話し合いによって、地域の中心となる経営体(個人、法人、集落営農)を誰にするか、どのようにするかを決定して、地域の中心となる経営体に農地を集め、地域全体で農業経営していくためのプランです。
プラン作成のメリット
人・農地プランに位置付けられると、さまざまな支援を受けることができます。
農地の出し手に対する支援(機構集積協力金)
1) 経営転換協力金(個人タイプ)
交付対象者
- 農業部門の減少により経営転換する農業者
- リタイアする農業者
- 農地の相続人で農業経営を行わない者
交付要件
農地バンクに対し、全ての農地を10年以上貸し付けることが必要です。
(注意)以下の農地は、農地バンクに貸し付けなくても構いません。
- 農業振興地域外の農地
- 農業振興地域内の10a未満の農地
- 経営転換の場合の減少部門以外の作物を栽培するための農地
交付単価
交付単価 | 上限額 | |
令和4、5年度 | 1.0万円/10a | 25万円/1戸 |
(注意)令和4、5年度においては、地域集積協力金または集約化奨励金の交付申請と一体的に取り組む場合のみに交付されます。
2) 地域集積協力金(地域タイプ)
実質化された人・農地プランの策定地域(以下、「地域」といいます。)を対象として、地域内の農地の一定割合以上を農地中間管理機構に貸し付け、担い手への農地集積に取り組む地域に対して協力金を交付します。
交付要件
交付対象面積の10%以上が、新たな担い手に集積される必要があります。
ただし、担い手が不足する地域は、交付対象面積の5%以上となります。
交付額
機構の活用率 = 機構に貸し付けられた農地の総面積 / 地域の農地面積
機構の活用率 一般地域 |
機構の活用率 中山間地域 |
交付単価 | |
区分1 | 20%超40%以下 | 4%超15%以下 | 1.0万円/10a |
区分2 | 40%超70%以下 | 15%超30%以下 | 1.6万円/10a |
区分3 | 70%超80%以下 | 30%超50%以下 | 2.2万円/10a |
区分4 | 80%超 | 50%超80%以下 | 2.8万円/10a |
区分5 | ー | 80%超 | 3.4万円/10a |
3) 集約化奨励金(地域タイプ)
機構に農地を貸し付け、担い手同士の耕作地の交換等により集約化に取り組む地域に対して協力金を交付します。
交付要件
次のいずれかを満たすこと
- 地域の農地面積に占める同一の耕作者の1ha以上の団地面積の割合が10%以上増加すること
- 地域の農地面積に占める同一の耕作者の1ha以上の団地面積の割合が20%以上増加すること
- 既に地域内の同一の耕作者の1ha以上の団地面積の割合が30%以上の地域において、同一の耕作者が耕作する団地又は独立する1筆のほ場の1箇所当たりの平均面積が1.5倍以上となること
交付単価と交付対象面積
地域の団地面積の割合 | 交付単価 | ||
区分1 | 要件の1 | 10ポイント増 | 1.0万円/10a |
区分2 | 要件の2 | 20ポイント増 | 3.0万円/10a |
区分2 | 要件の3 | 平均面積1.5倍以上 | 3.0万円/10a |
交付対象面積 = 対象期間内の貸付面積 ー 再貸付等面積 ー 貸付期間6年未満の農地面積
新規就農者に対する支援
経営開始資金(農業次世代人材投資資金)
交付対象者
交付対象者の主な要件(すべて満たす必要があります)
- 独立・自営就農時の年齢が、原則50歳未満の認定新規就農者で、次世代を担う農業者となることについての強い意欲を有していること。
- 独立・自営就農であること:農地の所有権又は利用権を交付対象者が有していること。主要な機械・施設を交付対象者が所有又は借りていること。
- 青年等就農計画等※が独立・自営就農5年後には農業で生計が成り立つ実現可能な計画であること。(※農業経営基盤強化促進法第14条の4第1項に規定する青年等就農計画に農業次世代人材投資資金申請追加書類を添付したもの)
- 就農する集落の人・農地プランに中心となる経営体として位置づけられている(もしくは位置づけられることが確実である)こと。
- 生活保護等、生活費を支給する国の他の事業と重複受給していないこと。
- 前年の世帯(親子及び配偶者の範囲)所得が600万円以下であること。
交付金額
農業経営を始めてから経営が安定するまでの最大3年間、月12.5万円(年間150万円)を定額交付します。
- (注意) 原則として前年の世帯所得が600万円(本事業資金含む)を超えた場合、青年等就農計画等を実行するために必要な作業を怠るなど、適切な就農を行っていないと判断した場合は交付停止となります。
- (注意)交付期間終了後、交付期間と同期間以上、営農を継続しなかった場合は返還の対象となります。
農業次世代人材投資資金の詳細については下記リンク(農林水産省ホームページ)をご参照ください。
(注意)新規就農に関する相談は役場産業振興課までご連絡ください。
その他の支援
スーパーL資金の当初5年間無利子化
交付対象者
プランに位置付けられた地域の中心となる経営体で認定農業者
地域区分について
プランの地域は下記の2地域としました。
- 井ノ口、岩倉、境、境別所地域
- 中村上・下地域(比奈窪、雑色、鴨沢、松本、藤沢、久所、北田、田中、遠藤、半分形、古怒田地域)
地域座談会の実施状況について
令和元年度の地域座談会を下記のとおり開催しました。
座談会の実施状況
令和2年2月26日(水曜日)
- 井ノ口、岩倉、境、境別所地域座談会
- 場所:中井町農村環境改善センター
- 時間:18時30分から
- 中村上・下地域座談会
- 場所:中井町農村環境改善センター
- 時間:18時30分から
人・農地プランの実質化
策定した人・農地プランを真に地域の話し合いに基づくものにする観点から、市町村、農業委員会など関係者の参加の下で、アンケートや地図を活用し、地域の話し合いの場において、農業者が地域の現況と将来の地域の課題を関係者で共有することにより、今後の農地利用を担う中心経営体への農地の集約化に関する将来方針の作成につなげていける取組みを全国的に推進しています。
中井町では、農地利用意向調査(アンケート調査)、地域における話し合いを毎年実施しており、その内容を組み入れた地図を既に作成しておりましたので、令和元年度中に補完調査等を行い実質化された人・農地プランに切り替えました(別添スケジュールによりプランを実質化させました)。
さらに詳しい内容について
さらに詳しい内容についてお知りになりたい方は、農林水産省のホームページをご覧ください。
下記リンクをクリックしてください。
PDFファイルは下記をご覧ください
この記事に関するお問い合わせ先
産業環境課 産業振興班
〒259-0197
神奈川県足柄上郡中井町比奈窪56
電話番号:0465-81-1115
ファックス:0465-81-4676
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更新日:2024年04月01日