離婚後の子の養育等について

更新日:2026年02月18日

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父母の離婚後等の子の養育に関する見直し(民法等改正)について

父母が離婚した後も、こどもの利益を確保することを目的として、令和6年5月17日に「民法等の一部を改正する法律」(令和6年法律第33号)が成立しました。この法律では、父母が婚姻関係の有無にかかわらず、こどもを養育する責務を負うことが明確化されており、令和8年4月1日に施行されます。

概要は以下のとおりです。

1.「親の責務等」のルールが明確になりました

このルール(新民法第817条の12等)では、親がこどもに対して負う基本的な責任と、親同士の協力義務を定めています。

子の健全な発達

親は、こどもの人格を尊重し、年齢や成長に合わせて心と体が健康に育つように育てなければなりません。

扶養の責務

こどもが親と同程度の生活ができるように、生活費(扶養)を負担しなければなりません。

親の協力義務

婚姻関係の有無に関わらず、こどもの利益のために親同士がお互いを尊重し協力し合わなければなりません。

下記のような行為は、上記のルールに違反しているとされる場合があります。

  • 父母の一方から他方への暴行、暴言、脅迫など心身に悪影響を及ぼす言動や誹謗中傷。
  • 別居している親が、同居してこどもの世話をしている親の日常的な養育に不当に干渉すること。
  • 特段の理由がないのに、一方の親がもう一方の親に無断でこどもを遠くに引っ越しさせること。
  • 裁判所などで決まったこどもと別居親との交流(親子交流)を、特別な理由もなく拒否すること。

注意

身体的・精神的DVや虐待等から逃げるなど、正当な理由がある場合は、このルールに違反しません。

2.親権・監護等に関するルールが見直されました

離婚後の親権について

これまで、離婚すると親権は父母のどちらか一人だけしか持てませんでしたが、新しいルールでは、次の2つの方法から選べるようになります。

単独親権

父母のどちらか一方だけが親権を持つ(これまでのルールと同じ)。

共同親権

父母の両方が親権を持つ。

親権の決め方について

話し合いで決める

父母の話し合い(協議)で、共同親権にするか、単独親権にするかを決めます。

裁判所が決める

話し合いで決まらない場合や、親権を共同にすることでこどもに悪い影響があると裁判所が判断した場合(例:DVや虐待がある場合など)は、裁判所がこどもの利益の観点から、どちらにするかを決めます。

親権の行使について

法務省は、父母が共同親権を持つことになった場合について、単独で行使できる行為や事項として次のように示しています。

単独でできること

こどもの世話や日々の勉強などの教育に関する日常的なことは、共同親権でも一人で決めることができます。また身体的・精神的DVや虐待からの緊急避難や、急病で緊急の手術が必要な場合など、急いで対応しないとこどもの利益に悪影響がある場合は、一人で判断して行動することができます。

共同で決定すること

こどもの進学や大きな手術など、こどもの将来に大きく関わることは、二人で話し合って決めることが原則です。

3.養育費の支払い確保に向け見直しされました

こどもを育てることは親の義務です。離婚後にこどもと暮らす親だけでなく、離れて暮らすこととなった親も、こどもの親であることに変わりはなく、こどもの成長を支えるという親の責任も変わりません。離れて暮らすことになる親も、こどもに対して自分と同じ水準の生活ができるようにする義務があります。

養育費とは

離婚などで親が別々に暮らすことになっても、こどもが生活したり勉強したりするために必要な費用です。一般的には、大学等を卒業するなど経済的・社会的に自立していないこどもが自立するまでに要する費用を意味し、衣食住に必要な経費、教育費、医療費などがこれに当たります。

強化された内容

養育費を払わない人から、もっと確実にお金を受け取れるようにするための仕組みが強化されています。

  • 「法定養育費制度」の導入(金額を決める前の緊急対策)

離婚のときに養育費の取り決めがなかった場合でも、こどもを主に育てている親は相手に対し、離婚の日から一定期間、すぐに養育費を請求できます。この請求できる金額は、こどもが最低限の生活を送るために必要な標準的な費用を勘案して法務省令で定められます。

  • 相手のお金に関する情報を集めやすくなる(情報開示命令)

養育費や婚姻費用の分担、財産分与の話し合いや裁判の際に、裁判所は親に対して収入や財産の状況に関する情報を開示するように命令できるようになりました。

  • 差し押さえの手続きがワンストップ化でスムーズに

養育費などに関する債権について、債務者が財産を開示しない場合に、裁判所が市町村などに対し、債務者の給与などの情報提供を命じる特例が設けられます。これにより、情報開示手続きと差し押さえ手続きがより連携して進められ、養育費を早く、確実に受け取れるようになります。

養育費の取り決めについて

養育費の取り決めにおいては、金額、支払期間、支払方法、臨時の費用などの取り扱いについて、できるだけ具体的に明記したうえで父母が署名するなどして、後々争いが生じないようにすることが大切です。取り決めを記載した内容は、公正証書にしておくと良いでしょう。また父母の話し合いで決めることができない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。

4.安全・安心な親子交流の実現に向け見直しされました

親子交流とは

こどもと離れて暮らす親が、こどもと定期的、継続的に会って話をしたり、一緒に遊んだり、電話などで交流することをいいます。こどもは親子交流を行う中で、両親のどちらからも大切にされていると安心感を得ることができ、そのことが生きていく上での大きな力となります。

強化された内容

新しい法律では、親子交流が「こどもの幸せ」のために安全に行われるよう、ルールが見直されました。

  • 祖父母など親族との交流もルールに

「こどもの利益のために特に必要」と裁判所が認めれば、祖父母などの親族と交流することを定めることができます。婚姻中別居の場合も含め、こどもと離れて暮らす親だけでなく祖父母などの親族とも、話し合いで交流のルールを決められるようになりました。

  • DV・虐待に配慮した「試しに会う」試行的実施制度

親子交流を始める際、特に過去にDVや虐待があった場合などは、安全性を確認しながら交流を始めるための仕組みが整えられました。試行的実施とは、裁判所での手続き中に、こどもの心身に問題がないことを確認した上で、試験的に交流を実施してみることを促す仕組みです。

  • 婚姻中別居の場合の交流も明確に

結婚したままで別居している場合の親子交流については、法律のルールが不明確でした。民法改正により、結婚していても別居している場合でこどもと離れて暮らす親は、こどもの利益のために、もう一方の親と交流に関する必要な事項を話し合って定めることが明確になりました(新民法第817条の13)。

親子交流の取り決めについて

親子交流の取り決めにおいても、頻度、内容、場所、急に親子交流を行えなくなったときの調整などについて、できるだけ具体的に明記したうえで父母が署名するなどして、後々争いが生じないようにすることが大切です。養育費と同様に取り決めを記載した内容は、公正証書にしておくと良いでしょう。また父母の話し合いで決めることができない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。

注意

相手から身体的、精神的暴力を受けるおそれがあるなど、交流をすることで、かえってこどもの安心・安全を害する場合にまで交流を行う必要はありません。

この記事に関するお問い合わせ先

福祉課 子育て支援班
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