2026年 新春鼎談 里都まちの幸福論

更新日:2025年12月26日

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新春鼎談 町長と町民 里都まちの幸福論

戸村裕司町長と、町で活躍する民生委員・児童委員の石鍋さんと古宮さんのお二人に、中井町ならではの幸福や課題についてお話しいただきました。

司会
あけましておめでとうございます。
新春鼎談は、地域の最前線で活躍されている民生委員・児童委員のお二人にお話を伺います。よろしくお願いします。

民生委員制度80年

石鍋
民生委員を務めて7年目になります。2期目に入るときに民生委員児童委員協議会の会長になりました。会長になってから、神奈川県の理事会や全国民生委員児童委員大会などに出席しました。
全国大会には約4000人が参加するのですが、皆さん熱意のある方ばかりで、日本がどこでも安心・安全なのはこういった方が全国津々浦々にいるからなんだと、ひしひしと感じました。
古宮
私は4年目で、2期目になります。民生委員の役割や仕事について、わかってきたところです。
戸村町長
今年は民生委員制度80年を迎えます。時代によって役割が変化しながらも、地域福祉の担い手として活躍されていることに感謝します。
司会
お二人が担当されている地域で違いはありますか。
石鍋
私の担当する半分形地区は、中村全体がそうですけど、自治会がとてもしっかりしていて、古くからのつながりが残っています。
世帯のことを自治会長さんや地域の方が把握しているので、民生委員として「出る幕が比較的少ない」場面もあります。アパートやマンションが少ないので、新しく入ってきた人がすぐ地域になじむ、という特性もありますね。
古宮
私が担当する宮上地区は、逆にアパートが多く、外国籍の方などがたくさん住んでいます。自治会に未加入の方も多く、アパートの中で「隣にどんな人が入っているか知らない」というケースもあります。
夜勤だったりで働いている時間がバラバラなのも一因なのかなと思います。
それでも、私の知っている外国籍の方は、近所の方に会ったら挨拶はするようにしているらしく、上手にご近所づきあいをされてますね。
私の家で青パパイヤなど野菜の無人販売をしているのですが、買いに来られた方とお会いできたときはよくお話をします。外国籍の方に「どうやって食べるの」って話したら、すぐパパイヤで作ったサラダをおすそ分けしてくれました。
司会
地域の中で課題に感じていることはありますか。
石鍋
高齢化で、独居の方が増えています。また、見守りをしていると、家そのものの状況が心配になる方もいます。
例えば、家が古くてエアコンが入らない方がいて、夏は扇風機だけ。冬もこたつでなんとか過ごしているような状況です。こちらが心配しても、「うちはいいから」と遠慮される方もおられます。
古宮
そういった方々は私たちも見守っていて、必要に応じて、町地域包括支援センターにつなげたりします。でも、それより先にご近所さんが気にして見守ってますね。お互い様だからって、皆さんなるべく庭に出るようにして様子が分かるようにしているとか。
石鍋
包括支援センターや役場に連絡をするとすぐ動いていただけるので、中井町は支援が行き届いているなと感じますね。小さい町のメリットですね。
戸村町長
町では70歳以上の独居の方を訪問し、必要に応じて支援につなげています。
ただ、日々の問題ですから地域の皆さまに見ていただくのは一番のポイントだと思います。

第七次総合計画

戸村町長
今年4月から「第七次中井町総合計画基本構想・前期基本計画」が始まります。
今回の総合計画では、ウェルビーイング指標(地域幸福度)を用い、幸福度のアンケートを取らせていただきました。石鍋さんにも審議会委員になっていただきました。
石鍋
抽象的な設問も多い中、住みやすさを実感する回答が多い印象でした。私も中井に住んで20年以上になりますが、ご近所や知り合いから野菜をいただいたり、車があれば町内で必要なものは買えるので、住みやすいと感じています。
また、アンケートでは生涯学習施設についての意見も多くありましたね。私は、今住んでいる人だけじゃなく、これから移住してくる人も満足できるような町にするためにも新しい施設は必要なんじゃないかと思っています。
古宮
子どもが小さいころは、学校の体育館しか使えなくてとても困りました。よその市町へバレーボールの練習に行っていたので、中井町に新しい施設が欲しい気持ちはわかります。でも、他にも古い施設がある中で、建て替える順番はどうなのかな。
戸村町長
学校なども老朽化が進んでおり、総合計画と同時に始まる『なかい教育ビジョン』では、どんな学びをしたいのか、どのような教育が必要かを踏まえて、これからの学校のあり方を重点項目に加えています。
昨年には子どもたちの意見を聞く機会を持ちました。平成18年から検討を続けてきた生涯学習施設ですが、四半世紀ぶりの大型公共建築ということで財政面でもご不安を与えています。これまでの町民サービスの水準を落とさず、財政調整基金を残しつつ、借入で負担を分散し取り組むことが可能になっています。
一昨年から開催したワークショップでは、女の子が「若いお姉さんがいる施設が欲しい」と言ったんです。今、中井町で若い女性がいないということを感じ、自分が大きくなった姿を想像できないということだと思うんです。そこで、町で暮らす、働くことをイメージできるよう町役場のインターンシップを行っています。
参加した中井町出身の役場職員もいます。中井で働く自信、将来が描ける状況を作ることが重要だと考えています。
石鍋
景色もいいし、住みやすい良い町ですが、掘り下げていくとまた課題もあるということですね。
戸村町長
お話しいただいたことは、今後の町政に生かしたいと思います。ありがとうございました。

鼎談者写真

戸村裕司町長(写真左)
松本上在住。
令和4年11月に中井町長就任

古宮千恵子さん(写真中央)
宮上在住。
民生委員・児童委員2期目

石鍋勝夫さん(写真右)
半分形在住。
民生委員・児童委員3期目
中井町民生委員児童委員協議会会長

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