その32 2026年8月 中井やまゆり園
中井やまゆり園
今年の竹灯篭の夕べには、会場の一角で、中井やまゆり園の利用者の皆さまが、自分たちでデザインした灯篭を展示するなど、準備段階から初参加されました。
中井やまゆり園は、今年4月に発足した地方独立行政法人神奈川県立福祉機構のもと、新体制に移行し、数年来取り組んで来た当事者目線の障害福祉の実現に向け、
本人の意思や思いを汲み取っていく「当事者研究」、暮らしの充実や支援の効果を確認する「福祉を科学する」を柱に据え、「福祉のフロントランナー」を目指します。
10年前、津久井やまゆり園で起きた痛ましい事件は、「ともに生きる社会とは何か」を私たちに問いかけました。
それに向き合い続けた神奈川県の歩みが、このように結実したことに、大きな意味を感じていますし、深く共感しています。
といいますのも、わたし自身も重度心身障害者のデイサービスで働いていたことがあります。
保育園園長を務められた方が、障がいを抱える息子さんとその同級生のために、養護学校卒業後の場作りを考えて開設されました。
重度後遺障害を負った方も通う中、利用者の思いやご家族の願い、そして職員のあり方を徹底して学ばされました。
全介助が必要で、意思表示がしにくい方に対しては、動作や音楽の好みを家族などに聞き取りながら、手の可動域や視線の範囲を見極め、目線の中で自分が何をしているかが伝わる支援に努めました。
笑顔でトントンとリズムよく両手を打ちながら喜ぶ利用者の姿が忘れられません。
そうした経験からも職員がやりがいを感じながら、その矜持を維持更新できる職場づくりは極めて重要と思います。
もう一つの柱は「地域」です。
きんもくせいの会の夏祭りの踊り指導、更生保護女性会や民生委員、ゆめクラブなかいや食育ボランティアなどによるやまゆり祭などの活動の他、
近年では、JAかながわ西湘青壮年部中井支部の指導による、町内畑を借りての小麦づくりや収穫祭、さらには町施設を使っての日中活動など、町民の皆さまとのつながりが一層深まっています。
今回、竹灯篭の夕べへの参加にあたり、やまゆり園の皆さまにとって夜の外出はこれまでほとんどなかったと伺いました。
福祉の理念上の「地域」を越え、町内に中井やまゆり園がある意味を常に考えてきました。
同じ町で暮らし、同じ季節を感じ、同じ灯りを見つめる。
そうした日常を重ねていくことから始めればいいんだと改めて思いました。
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更新日:2026年07月31日